「がん=終わり」はもう古い!?
生存率を上げる、命の『宝探し』が始まっている。
「がんです」と言われたら、真っ先に何を思い浮かべますか? 多くの人は「もう打つ手がない」という絶望的なシーンを想像するかもしれません。
でも、今の医療は私たちが思っている以上に、ドラマチックな進化を遂げています。 まるで、「既製服を我慢して着る」時代から、「自分にぴったりのオーダーメイドを仕立てる」時代へ、がん治療も変わり始めているのです。
「〇〇がん」という名前だけで薬を選ぶ時代は終わった
これまでの治療は、「肺がんならこれ」と、がんができた場所で使う薬が決まっていました。既製品の中から、なんとなく合いそうなものを選ぶようなイメージです。
しかし、最新の医療(がんゲノム医療)は違います。 一人ひとりの「がんの設計図(遺伝子)」を隅々までチェックして、「あなたのがんだけに効く、ピンポイントな弱点」を見つけ出します。
「10人に1人」が手にする、自分専用の最強の武器
先日、国立がん研究センターなどのチームが発表した最新データ(5万人以上の解析結果)が話題になりました。
「検査を受けて、実際に自分に合う薬が見つかったのは8%」この数字だけ見ると「たったそれだけ?」と思うかもしれません。でも、これは絶望ではなく、大きな希望の数字です。
わずか数年前から、その確率は倍近く(5.5%→10%)に増えています。
これまでなら「打つ手なし」と言われていた状況でも、10人に1人は「大逆転の1枚」を引ける時代になったということです。この確率は、薬の開発スピードに合わせて今もどんどん上がっています。
「がんの種類」によって、宝が見つかる確率は違う
ただ、この「宝探し」にはまだ不公平な現実もあります。
- 甲状腺がん:35%(3人に1人は薬が見つかる!)
- 肺がん:20%(5人に1人は見つかる!)
- 膵臓がん・肝臓がん:2%未満(まだ薬の開発が追いついていない)
ここで見つかるのは国内で承認されている薬だけではなく、「まだ日本では発売されていないけれど、世界には効く薬がある」という情報までわかるのが、この検査のすごいところ。実際に、海外の薬を使って寿命が延びたというデータもしっかり出ています。
「知っているか、知らないか」が未来を分ける
この「がん遺伝子パネル検査」は、すべての人が最初から受けられるわけではありません。一般的には、標準的な治療をやり遂げた後の「次のステップ」として検討されるものです。
「もう他に方法はありません」と言われたとき、この検査の存在を知っているかどうかで、「自分専用の武器を探す」という最大のチャンスを掴めるかが決まります。
医療は進化しています。 「がんは怖い」と目を逸らすのではなく、「今は自分専用の薬を探せる時代」なんだと知っておくこと。それが、あなたや大切な人の未来を守る、最初の一歩になるはずです。


