「涙の成分」で見つかる乳がん

乳がんを”涙”で検出、2022年の実用化に向け開発進む

涙に含まれるエクソソーム(※)で、乳がんが判明できる新しい検査法の開発が進行中です。

※エクソソームとは…
細胞から分泌される直径50-150nm(=1ミリの100万分の50-150)の物質。細胞間の情報を伝達する機能がある。

がん細胞から出るエクソソームは、リキリッドバイオプシータイプのがん診断バイオマーカーとしても注目されている。

リキリッドバイオプシー:体液(血液など)を使ってがんの診断や治療効果予測を行う技術。

バイオマーカー:体内の生物学的変化の指標となる物質。血液や尿に含まれるたんぱく質が代表的。

「簡単かつ迅速」に乳がんの検出が可能に

竹内俊文教授(神戸大学大学院工学研究科)らは、エクソソームを「超高感度に検出する測定法(分子インプリンティング技術)」を開発。 ごく少量の「涙」でも測定可能にしたことで「簡単かつ迅速」に”がん細胞由来”のエクソソームを識別できるという。

涙が魅力的なのは採取が容易なこと。マンモグラフィのような痛みも伴わないこと。                                              ※自宅やドラッグストアで自己採取して検査機関に送る方法も将来的には可能になる見込みだ。

2022年度までの実用化を目指す。

シルマー試験紙による涙の採取イメージ


試験紙を挟んでしばらく目を閉じ、涙が滲みだして試験紙の青色の部分が数ミリで検体として十分。

実用化に向けクラウドファンディングも開始

クラウドファンディングのURLは下記の通り。(募集は2021年4月16日に終了)                            「涙で乳がんを検出する!研究を加速させる一歩にご支援を」                     https://readyfor.jp/projects/TearExo