ストレスや不安を解消するモバイルアプリ

日本には約1,000万人の精神疾患患者がいるといわれています。

そこで、スタートアップのemolがスマホアプリを使った「認知行動療法」で臨床研究をスタートさせましたが、果たして2027年には2兆円規模といわれる「デジタルセラピー」市場を開拓する先兵になるか‥。

「メンタルウェルネス」に対するモバイルアプリのパワー

モバイルアプリは、メンタルヘルスの問題を抱える人に治療の選択肢を”革命的に”もたらしています。

What’s Upなどのアプリは、ユーザーが自分のメンタルヘルスを管理し、前向きな考え方を生み出すのに役立つエクササイズやツールへのアクセスを提供しており、アプリによっては「マインドフルネス・エクササイズ」や「認知行動療法」などのスキルを身につける特定のアクティビティも提供されています。

モバイルアプリでストレスや不安の解消を

アプリを使いながら心の健康を保つためには、達成可能な目標を設定し、目標を小さなタスクに分解し、達成までのタイムラインを設定することで、タイムリーに目標を達成し、進捗状況を確認しながら進めると効果的です。
コーピングスキルも重要。
※コーピング:ラザルス(アメリカの心理学者)が提唱した「ストレスへの対処」を指す行動、考え方。

アプリにはストレスに対抗するための「マインドフルネス・エクササイズ」、「リラクゼーション・テクニック」、「呼吸法」などのアクティビティが含まれています。
これらのツールにより、健康的な方法でストレスに対処し、管理することを学ぶことにも繋がります。

多くのアプリには、ユーザー同士がつながり、サポートを受けるためのプラットフォームも提供しています。
そこには、役立つヒントやアドバイスを提供するオーディオやビデオのコンテンツも用意されています。

アプリでユーザーとつながり、役に立つ活動に参加することで、帰属意識とコミュニティーの感覚を作り出すこともできます。

デジタルセラピーの長所と短所

デジタル・セラピーの長所は、セラピーへのアクセスが限られている遠隔地に住む人に、メンタルヘルス・ケアを提供できることです。特に、若者のメンタルヘルス問題に対するレジリエンス(回復力)に有効であることが証明されています。

デジタルセラピーの課題は、セラピストや臨床医から切り離されたように感じたり、デジタルセラピー技術管理に疎い高齢者には難しいかもしれません。

日本のデジタルセラピー市場は拡大中で、今回紹介したスタートアップのEmolは、患者がネガティブな思考パターンを特定するためのチャットボットや、そのパターンを変えるための認知行動療法(CBT)などの機能を持つアプリを提供しており、従来のセラピーを受けることができない、あるいは制限されている人々に、メンタルヘルスケアへのアクセスを提供することに役立つといいですね。